近代彫刻の石膏原型の保存修復を考えるシンポジウム
2024年2月23日 〜 2024年2月23日
井の頭自然文化園 彫刻園
所在地:東京都武蔵野市御殿山1-17-6
TEL:0422-46-1100
井の頭自然文化園 資料館2階 *ZOOMオンライン配信
近年、高度経済成長期に寄贈された個人コレクションの保存修復が問題になっています。通常所蔵品の貸し借りは、展覧会テーマに添った美術史や美学的な基準によって選択されるものです。ブロンズとどちらが重要かは芸術家によって異なるため、個別の作家研究をもとに判断されます。
しかしながら、戦前の展覧会はもっぱら石膏で、太平洋戦争中の金属供出を免れた現存する近代塑造は石膏が多数であるのにも関わらず、ブロンズは戦後の没後鋳造もあり、どちらが物質的に真正なものか検証されることもあまりありませんでした。展示が安全のためにブロンズが選択され、石膏原型は修復してまで保存するものか検証が保留されがちです。
本シンポジウムはこのような公共コレクションを修復した修復家と、実際の美術館現場での保存展示にあたっている学芸員を集めて意見交換を行います。行政と専門家による適切な役割分担による運用例を提示しつつ、これからの近代彫刻の石膏原型の保存展示の可能性について問題提起します。
◆議題提起「北村西望の石膏原型の保存の取り組み」
土方浦歌 (井の頭自然文化園 彫刻園学芸員)
◆講演1「フランソワ・ポンポンの石膏保存」
神尾玲子氏(群馬県立近代美術館次長兼学芸係長)
◆講演2「清水多嘉示の石膏原型全作品の修復」
黒川弘毅氏(武蔵野美術大学名誉教授)
◆講演3「近代塑造の石膏原型の修復」
髙橋裕二氏(ブロンズスタジオ取締役)
◆ディスカッション・質疑応答
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