宇川直宏展 FINAL MEDIA THERAPIST @DOMMUNE
2023年9月10日 〜 2023年11月5日
練馬区立美術館
所在地:東京都練馬区貫井 1-36-16
本展では、13 年間の DOMMUNE の膨大な番組アーカイブを紹介するとともに、それらの映像を素材として、絵画や立体作品など他のメディアに拡張・変換・創造し、“描く”という行為の歴史的なアップデートを図ります。その過程で介在するのは、宇川自らだけでなく、日々の配信行為に纏わる視聴者と同じく、様々な年齢・多様な背景を持つ人々、そして人工知能。アーカイブの様々な可能性を探るとともに、近年広く普及し始めたジェネレーティブAI【1】による画像生成にも着目し、描くとは何か、今世紀的な作家性や作品のあり方とは何か、もしくはそこから創出される価値とは何かなど、“近代・現代・現在美術”を新たに捉え直すプロジェクトとなります。また、ブロックチェーン【2】、そしてスマートコントラクト【3】による所有や販売などのプロセスを独自考察し、伝統的なメディアである絵画と同時に、NFT作品【4】の制作も行います。また会期中には美術館を舞台としてライブ・ストリーミングを行い、さらなる情報の蓄積を目にしながら番組に参加することが可能です。
毎日大量の人々が行き交うプラットフォームであり、芸術/文化情報の泉源であるファイナルメディア「DOMMUNE」を、様々に変換し時空を錯綜しながら眺める試みは、仮想空間と物理空間の交通、ユビキタス【5】とモバイルによる超分散的サイバー空間の投影など、Web3.0【6】以降の社会を取り巻く様々な問いを、更に深める機会ともなるでしょう。
【1】「生成AI」。画像や動画、楽曲やプログラムのコード、文章などクリエイティブな成果物を生成するための人工知能。
【2】情報通信ネットワーク上の取引記録を、暗号技術を用いて処理・記録するデータベースの一種。改ざんが非常に困難で仮想通貨等に応用されている。
【3】ブロックチェーンシステム上の概念。あらかじめ設定されたルールに従って、第三者を介さずにブロックチェーン上の取引を自動的に管理する。
【4】NFT(ブロックチェーンを利用して発行する非代替性の暗号資産)の技術を活用し唯一性や所有権を証明できるデジタルアート。
【5】通信インフラの整備や端末の普及によって場所 を選 ばずにインターネットに接続し情報収集やサービスの利用が行えること。
【6】プライバシーやセキュリティなど問題を解決するために構想された、ブロックチェーンなどの技術によって実現する「次世代の分散型インターネット」の概念。
作家プロフィール
宇川直宏 Naohiro UKAWA(現“在”美術家|DOMMUNE 主宰)
1968 年香川県生まれ。現”在”美術家。映像作家、グラフィックデザイナー、VJ、文筆家、大学教授など、80 年代末より、極めて多岐に渡る活動を行う全方位的アーティスト。既成のファインアートと大衆文化の枠組みを抹消し、現在の日本にあって最も自由な表現活動を行っている。2001 年「Buzz Club: News from Japan」(MoMA PS1・ニューヨーク)、「JAM: TokyoLondon」(Barbican Art Gallery・ロンドン)に参加して以来、国内外の多くの展覧会で作品を発表。2010 年には、日本初のライブストリーミングスタジオ兼チャンネル「DOMMUNE」を個人で開局。記録的なビューワー数で国内外にて話題を呼び、2011 年文化庁メディア芸術祭推薦作品に選出される。宇川は DOMMUNE スタジオで日々産み出される番組の、撮影行為、配信行為、記録行為を、自らの”現在美術作品”と位置づける。2016 年アルスエレクトロニカ(オーストリア/リンツ)のトレインホールにステージ幅 500M のサテライトスタジオ「DOMMUNE LINZ!」を開設、2019 年、瀬戸内国際芸術祭にてサテライトスタジオ「DOMMUNE SETOUCHI」を開設。どちらも大きな話題となった他、これまで DOMMUNE は数々の現代美術の国際展に参加し、ロンドン、ドルトムント、ストックホルム、パリ、ムンバイ、リンツ、福島、山口、大阪、香川、金沢、秋田、札幌、佐渡島と、全世界にサテライトスタジオをつくり、偏在(いま、ここ)と、遍在(いつでも、どこでも)の意味を同時に探求し続けている。10 年間に渡って配信した番組は約 5000 番組/約1万時間/150 テラを越え、トータル視聴者数 1 億人を超える。2019 年、リニューアルした渋谷PARCO 9F にスタジオを移転。「SUPER DOMMUNE」に進化し、5G 以降の最前衛テクノロジーと共に未来を見据えたアップデートを図る。2021 年、第 71 回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。
会 期 : 2023年 9月10日(日)~11月5日(日)
休 館 日: 月曜日(ただし、10月9日(月・祝)は開館、9月19日(火)、10月10日(火)は休館)
開館時間: 10:00~18:00 ※入館は 17:30 まで
主 催: 練馬区立美術館(公益財団法人練馬区文化振興協会)、DOMMUNE 株式会社
協 力: Rhizomatiks、ANOMALY 、池上通信機株式会社、株式会社プリズム
AlphaTheta株式会社、Pioneer DJ、株式会社七彩、BRDG、VELTZ、カイライバンチ
REALROCKDESIGN、映像センターC.E、PHINGERIN、LAD MUSICIAN
観 覧 料
一般 1,000 円、高校・大学生および 65~74 歳 800 円、中学生以下および 75 歳以上無料
※一般以外の方(無料・割引対象者)は、年齢等が確認できるものをお持ちください
◆チケットプレゼント 終了◆
「宇川直宏展 FINAL MEDIA THERAPIST @DOMMUNE」の招待券チケット応募は終了いたしました。
たくさんのご応募ありがとうございました。
練馬区立美術館
176-0021
東京都練馬区貫井 1-36-16