「彼方へ」岩﨑恒男・風景の軌跡展
2023年11月30日 〜 2023年12月12日
奥鎌倉ギャラリーQuadrivium Ostium
場所:神奈川県鎌倉市浄明寺5-4-32
TEL:080-5430-6641
奥鎌倉の古美術ギャラリー、Quadrivium Ostium(クアドリヴィウム・オスティウム)(店舗:神奈川県鎌倉市、代表:黒田 幸代)では、世に埋もれた日曜画家のプライベート作品に光を当てる新しい試みとして「個人的な居所としてのアート(Art as a space for a personal soul)」シリーズを11月より開始いたします。
シリーズの第1回展覧会として「『彼方へ』岩﨑恒男・風景の軌跡展」 を2023年11月30日(木)~12月12日(火)に開催いたします。
◎「個人的な居所としてのアート(Art as a space for a personal soul)」シリーズ
世の中には商業的な目的ではなく、趣味や個人的な情熱の表現として絵画を描かれる方が多くいらっしゃいます。そのような作品のほとんどは、一般に公開されることもなく世に埋もれています。作者がお亡くなりになれば、美術館に寄贈することもなく、処分されるかご遺族の手元に置かれたままとなっているのが現状です。
当ギャラリーではそのような故人の作品の中から芸術的価値が高いと思われる作品を発掘し、世に公開することで新たに光を当てる試みを始めることにいたしました。社会にとっては新たなアーティストの発見の機会となり、ご遺族にとっては故人の想いや作家性の再発見の機会をもたらします。
将来は「個人的な居所としてのアート(Art as a space for a personal soul)」シリーズを公募制にし、世に埋もれた優れたアーティストを発掘し、ご遺族をはじめとする今を生きる人々と故人との邂逅を創出していきます。
また、芸術面においては、商業目的や投機目的とは無縁の、そもそも他人に鑑賞されることを想定していない極めて個人的な目的で生み出されたアートを展示することで、作家の情熱と鑑賞者である他者の共感が交わる体験を通して、人間本来に由来する「アートとは何か」をあらためて問いかけます。
◎「『彼方へ』岩﨑恒男・風景の軌跡展」について
岩﨑恒男氏(1939年~2012年)は、会社勤めをしながら、地元である埼玉県東松山の草原や河原、地方の古民家などの風景を対象とした油彩画を描き続けました。多くの風景画に通底しているのは、空と大地の境界点を見据えた構図をとるゆるぎない視線の存在です。例えば、地元東松山の風景画は、草原が茫洋と広がるのではなく、画面の奥ほぼ中央に描かれた山や大木へと自然と視点が向かいます。繊細で静謐な色調も特徴的です。静かに集中し細い筆で描かれた枯草は乾いた光を纏い、観る者を彼方の地平へと誘います。
本人が生涯、個展を開くことを固辞していたため、作品は近親者しか観たことがありませんでしたが、ご遺族のご厚意によりこのたびの展覧会が実現しました。
展覧会では、ⅰ草原の風景、ⅱ古民家のある風景、ⅲ旅の風景、ⅳ静物画の4部構成で約60作品を展示いたします。
◎岩﨑恒男氏プロフィール
1939年埼玉県生まれ。
高校卒業後、1958年に東京電力株式会社に入社。2001年に退職後、頻繁にヨーロッパ旅行へ出掛ける。
10代からスケッチ、短歌の創作に勤しみ、油彩画は50歳代から始めていた様子。
2012年没。
◉展覧会概要
・「彼方へ」岩﨑恒男・風景の軌跡展
・岩﨑恒男氏が生前描いた風景油彩画約60点(展示品は販売いたします)
・2023年11月30日(木)~12月12日(火) 休み:12月6日(水)
・営業時間11:00~17:00
・予約不要
・入館料無料
・Quadrivium Ostium(クアドリヴィウム・オスティウム)
神奈川県鎌倉市浄明寺5-4-32
鎌倉駅(JR横須賀線、江ノ島電鉄)東口4番バス乗り場より京浜急行バス(鎌倉霊園正門前太刀洗 行/金沢八景駅行/ハイランド循環)に乗車「泉水橋」バス停下車 徒歩5分
・URL:https://quadriviumostium.com/
・トークショー「伯父の思い出」スピーカー黒田貴彦
12月2日(土)~12月3日(日)14:00~15:00
12月9日(土)~12月10日(日)14:00~15:00
◎Quadrivium Ostium(クアドリヴィウム・オスティウム)について
Quadrivium Ostiumは鎌倉市にある古美術品のアートギャラリーです。店名はラテン語で「十字路の入り口」を意味し、「様々な時代や場所で作られた物が遥かな道をたどり、ここで受け継がれ次に手渡されていく」との思いが込められています。
「美術館やギャラリーのような空間に住まう」をテーマに設計された自邸は、1階スペースを使い、ヨーロッパのアンティーク家具や絵画とともに古美術を展示。扱う古美術品は古代キリスト教美術、仏教美術、民藝などで地域も日本、中国、朝鮮半島のアジア地域、ヨーロッパ、アフリカなど幅広く、ジャンルを問わず様々な文明の古美術品を常時30点ほど展示販売しています。
ユニークな建物は、神奈川県の建築賞とイタリアのデザイン賞を受賞、アートloverのみならず建築好きの方も数多くいらっしゃいます。