黒宮 菜菜 Nana Kuromiya/ 鳥を抱いて船に乗る In the boat with the bird
2022年10月1日 〜 2022年10月29日
Gallery Nomart
場所:大阪府大阪市城東区永田3丁目5番22号
TEL:06-6964-2323
黒宮 菜菜 Nana Kuromiya/ 鳥を抱いて船に乗る In the boat with the bird
個展
2022.10.1(sat) – 2022.10.29(sat)
13:00 – 19:00 日曜・祝日休廊
Closed on Sunday and National Holidays
会場:Gallery Nomart (ギャラリーノマル)
536-0022 大阪市城東区永田3丁目5番22号
展覧会詳細:
https://www.nomart.co.jp/exhibition/detail.php?exhCode=0196
■ 関連音楽ライブ:Bird
2022.10.15 sat, open 19:30 / start 19:45 –
charge:adv. ¥3,000. / door ¥3,500. *予約制 By reservation only
act: K2 (草深公秀) / sara (.es / piano)
ご予約、お問い合わせ:info@nomart.co.jpまたは06-6964-2323
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2019年の大原美術館の若手作家支援事業「ARKO」招聘と同館での作品発表、2020年3月に開催されたVOCA展2020への参加(佳作賞受賞)など、近年着実に評価を高めている画家・黒宮菜菜。
黒宮の作品は、主に人物像をモチーフとして、液状に溶いた油絵具による油彩作品と、重ねた和紙に染料を滲ませて描く紙作品、2タイプの技法を使い分けて制作されます。
画中に描かれた境界が曖昧で幻想的なイメージは、見る人の想像力を喚起させ、曖昧であるが故により強い印象を脳裏に焼き付けます。また絵具が流れた痕跡からは、様々の移ろいが美しくまた儚くも想起させられます。
前回、2020年の当画廊での展覧会では新しいイメージの展開として、自身で考えた物語の1シーンを切り取って描いた新シリーズを発表。実際にある小説から題材を取ったそれまでの作品から、より当人の描きたいテーマに寄った、自由で見るひとの想像力がより掻き立てられる魅力ある展示となりました。
今展では、日本の古墳時代にまでさかのぼり、実際にあったであろう史実を元に、当時の人たちの死生観や自然との関わりに着目。時空を超えて人間の根源的な本性を探る作品を展開します。また今回は油によって絵具にもたらされた流動性から、蜜蝋による物質の封印という表現の変化が新たに現れています。
なお、展覧会半ばの10/15(土)には、ノイズ界のマッドドクター・K2(草深公秀)を静岡から迎えて関連ライブ「Bird」を開催。重厚なノイズサウンドとsara(.es)のピアノが織り成す豊潤な音像が、黒宮の作品世界と呼応する特別な時間となります。
様々な困難に直面している現在の社会・世界状況にあって、描くことを通して人間性を真摯に探求し作品に昇華する黒宮菜菜の新作展。是非ともご注目、ご高覧のほどよろしくお願いいたします。
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[Artsit Statement]
鳥を抱いて船に乗る
紀伊半島にある古墳時代の遺跡のなかにアジサシ(渡り鳥)を抱いて葬られた少年の遺骨が発見されている。展覧会タイトルの「鳥を抱いて船に乗る」という言葉は、鳥を抱いて永遠の眠りについたこの子供から着想を得たものだ。
子供の魂が迷わず無事に他界へと導かれるように。そして、再び渡来し自分たちのもとへ蘇ってくるように。親族が渡り鳥であるアジサシに想いを託したのであろうか。
船のイメージもまた古墳時代の遺跡からヒントを得ている。被葬者の棺を船形に加工しているケース(実用された本物の舟が使用されている場合もある)が日本の各所に見られるのだ。
魂を乗せた船は他界へと旅立つが、再びこの地に帰ってくるものなのであろう。船の特性を考えれば行ったきりではないはずだ。生と死を往来する器。それが船に込められたメタファーだと思う。
人が人の生や死をどのように考え、解釈してきたのか。自明である有限の命のことを考えないわけにはいかないのは人間の性分だ。わたしは、その性的な思考にとても興味がある。
黒宮菜菜 Nana Kuromiya
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[お問合せ]
Gallery Nomart (担当:山田, 井上)
tel. 06-6964-2323 / e-mail. info@nomart.co.jp
https://www.nomart.co.jp