東影 智裕 Tomohiro Higashikage 見えない時間 / Niewidzialny czas
2021年11月27日 〜 2021年12月25日
Gallery Nomart
場所:大阪府大阪市城東区永田3-5-22
TEL:06-6964-2323
東影智裕、ギャラリーノマルでの3年ぶりの個展は、
東京ー大阪巡回のポーランド研修帰国記念展
ウサギやウシといった動物の頭部のようなものをモチーフにした彫刻作品で知られる現代美術家 東影智裕。緻密な毛並みに覆われた精巧な作品群は一見すると写実的ですが、自身の記憶をたぐり寄せて形成される姿形はどこか不思議な違和感と余韻を残します。
“生と死”を根幹のテーマに持つ東影の作品は、相反する要素の境界を曖昧なものにしながらも毅然たる存在感を放ち、リアリティとイマジネーションを共存させたまま静かに空間に佇みます。それは生と死の共存でもあります。近年では、生命の気配を残しながらも繁殖する毛並みそのものに注目した、より抽象的なアプローチも試みています。
第27回五島記念文化賞を受賞した東影は、海外研修として2017年初春よりポーランドの古都クラクフに1年間滞在。クラクフでの暮らしで東影が最も印象に残ったのは、歴史ある街並みに溢れる光と影の美しさだったと言います。
今回の展覧会では、今年9-10月に研修帰国記念として開催された東京での個展で制作・発表した作品を再構成し、ノマルの空間ならではの鑑賞体験をお楽しみいただきます。
なお、展覧会会期中には、特別ゲストにバレエダンサーの針山愛美氏を迎え、sara(.es / ピアノ)とのライブ・パフォーマンスの開催を予定しています。
今夏の兵庫県立美術館での小企画展(個展)、東京での研修帰国記念展と注目度の高い展覧会が続き、今後ますますの活躍が期待される東影の2021年を締め括る今展にご注目ください。
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「見えない時間」
「見えない時間」の意味は?と問われることが多いのですが、日本とポーランドなど、どちらかにいると見えない場所でそれぞれ暮らし、それぞれの時間が過ぎていくように、世界のほとんどが見えない時間で構成されています。作品も作者から離れ、本当は作者(僕)から見えない時間の中こそが作品が本当に感じている世界なのでは無いかと感じ「見えない時間」と名付けています。
作品は、五島記念文化賞を受賞し2017年から2018年の1年間、ポーランドのクラクフに渡航し、そこで経験した成果発表として制作し、展示会場として東京の谷中地区にある、彫刻の大家、平櫛田中がアトリエとして使用していた空間を想定した作品になります。
そもそも時間は見えないのですが、旧平櫛田中邸アトリエでの展示を想定し、時間によって移り変わる微かな陰影の変化などから時間を感じ取るような展示にしたいとの考えもあり「見えない時間」としていました。
そして今回、東京の旧平櫛田中邸アトリエから大阪のギャラリーノマルへと場所を移し展示を行い、かつて平櫛田中が実験的な試みも行っていた歴史あるアトリエ兼住居、現代的ホワイトキューブで構成され、実験的試みも行うギャラリーノマル、それぞれ場所も成り立ちも時間の経過も異なり、決して同時にその場の時間を共有することができない、それぞれの「見えない時間」この二つの会場の異なる時間を作品は蓄積し、また新たな時間を刻み、その時間も永遠ではなくいつか終わりが訪れる。
東影智裕
■ Related Events : Performance “見えない時間”
2021.12.18 sat, open 19:00 / start 19:30 –
performance:針山愛美 Emi Hariyama バレエダンサー / sara (.es) ピアニスト
charge:¥2,000. *予約制(定員15名)By reservation only (Capacity of 15)
Live詳細 / 予約フォーム:
https://www.nomart.co.jp/sound/unseentime.php